振替休日(振休)と代休の違いは?
定義や割増賃金の扱いをわかりやすく解説

クロノス広報チーム

公開日:2026.07.21、更新日:2026.07.21

業務の都合で休日に働く際、よく使われるのが「振替休日(振休)」と「代休」です。どちらも「休日に働く代わりに別の日に休む」という意味では同じように思えますが、人事労務や法律上の扱い、そして給与計算における仕組みは全く異なります。
これらを十分に理解しないまま運用してしまうと、意図せず不適切な休暇管理となったり、未払い賃金が発生したりするリスクがあります。
本記事では、振替休日と代休の違いを整理したうえで、振替休日の成立条件や実務上の注意すべき割増賃金の計算方法など、わかりやすく解説していきます。

おすすめの勤怠管理システム

おすすめの勤怠管理システム

複雑な勤務形態への対応・作業の自動化でバックオフィスの手間を大幅に削減!
99%以上のお客様に選ばれ続ける勤怠管理システム

無料資料ダウンロード サービス詳細はこちら >

振替休日と代休の違いは?

振替休日と代休はどちらも休日出勤に関連する制度ですが、取得のタイミングや法的な扱い、割増賃金の有無が異なります。適切な労務管理を行い、未払いなどの労務リスクや従業員の不利益を防ぐために、それぞれの仕組みや違いを正しく理解していきましょう。

①定義の違い

振替休日とは、あらかじめ定められた休日を「事前に」別の労働日と入れ替える制度です。もともとの休日を別日に移し、その日は通常の労働日として扱うため休日労働には該当しない仕組みとなっています。

一方の代休とは、事前の手続きをせず休日に労働した後に「事後として」別の労働日を休みにする制度です。こちらは休日労働を行った事実が前提となるため、働いた事実は消えないという違いがあります。このように、休日を入れ替えるタイミングが前か、後かという定義の違いがあります。

【出典】振替休日と代休の違いは何か|厚生労働省

②休みを決めるタイミングの違い

振替休日はあらかじめ休日と労働日を入れ替えるため、休日に出勤する前に代わりの休みを決める必要があります。「この日に出勤する代わりに別の日を休みにする」と事前に勤務スケジュールを確定させて運用するのが特徴です。
従業員の休暇予定を前もって把握できるため、計画的な労務管理や人員配置の調整が行いやすくなるメリットがあります。

それに対して代休は、実際に休日出勤をした後に代わりの休みを決める点が特徴です。
突発的な業務対応などで事前に休みを決められない場合などに用いられることが多く、勤務後に状況を見ながら休みを設定できるという柔軟さはありますが、取得時期が後ろ倒しになりやすく、スケジュール管理を適切に行わなければ消化されにくい点に注意が必要です。

③給与の計算方法の違い

振替休日と代休では、割増賃金の有無によって給与の計算方法が異なります。
振替休日の場合は通常の労働日となるため割増賃金は発生しませんが、一方の代休の場合は後から休んでも休日労働の事実は消えないため、通常の賃金に加えて35%以上の割増賃金を支払う必要があります。

【 時給1,500円で法定休日に8時間勤務した例 】

  • ■振替休日で対応した場合(事前に振替済み)
    →1,500円×8時間=12,000円
  • ■代休で対応した場合(休日労働後に代休を取得)
    →1,500円×8時間×1.35=16,200円
     ※休日労働となるために割増賃金(35%)も加算

振替休日では通常賃金のみ支払いとなるのに対し、代休では休日労働分の割増賃金が発生するため、最終的な支給額に違いが生じます。割増賃金の未払いなどの問題につながらないよう、注意して管理することが大切です。

法定休日と法定外休日の違いは?

振替休日や代休の制度を適切に運用するためには、法定休日と法定外休日の違いを押さえておく必要があります。
法定休日とは、労働基準法で付与が義務づけられている「週に1日、または4週4日以上」の休日です。
これに対し、法定外休日(所定休日)とは完全週休2日制の維持などのために企業が任意で設定している休日を指します。たとえば土日休みの企業では、どちらか一方が法定休日、もう一方が法定外休日として定められているケースが一般的です。

法定休日に出勤させた場合は、35%以上の休日割増賃金を支払う必要があります。
これは労働基準法で定められた義務であるため、労働時間の長短に関わらず、必ず適用される点に注意が必要です。
これに対して法定外休日の出勤は、週40時間の法定労働時間を超えない限り休日割増は不要ですが、法定労働時間を超えた場合のみ25%以上の時間外割増賃金が発生します。

振替休日に関する労働基準法上のルールは?

振替休日の運用は給与計算に直結するため、労働基準法に基づく要件や実務上の注意点を正しく理解することが大切です。ここからは、振替休日に関する労働基準法上のルールについてポイントを押さえながら解説していきます。

複雑な休暇日数も自動集計でかんたんに
従業員の勤務状況を可視化できる勤怠管理システムはこちら

①振替休日が成立する要件

まず、振替休日を運用するためには、その運用方法をあらかじめ就業規則に明記しておく必要があります。振替休日は従業員の働き方や休日の扱いといった労働条件に関わる制度であり、就業規則に記載がなければ法的には振替休日として扱えず、休日出勤や時間外労働とみなされてしまう可能性があります。

次に重要となるのが、対象となる休日に出勤させる前日までに、代わりの休みを確定させておくことです。
振替休日は出勤した後になってから休みを決めるのではなく、事前に代わりの休みを決定しておく必要があり、対象となる休日に出勤させる前までには振替日を確定していなければならないため事前に代わりの休日が確定していない場合は、振替休日として認められません。

また、振替休日を設定する際も、労働基準法で定められている週1回、または4週4日以上の休日は必ず確保する必要があります。振替の結果、この要件を満たせなくなると適切な運用とはいえなくなってしまい、法令違反につながるため適切な管理を徹底する必要があります。

【出典】労働基準法35条 休日のルールと振替休日の要件(PDF)

②振替休日が週や月をまたぐ場合の取り扱い

振替休日が週や月をまたぐ場合、労働時間の上限(1日8時間・週40時間)に注意する必要があります。

たとえば、休日出勤の代わりに「翌週」に振替休日を設定すると、元の週の労働時間が週40時間を超えてしまうケースがあるかもしれません。この場合、休日割増(35%)は不要ですが、週40時間を超えた分に対して25%以上の「時間外割増賃金」の支払い義務が発生します。

実務上、週や月をまたぐ運用は勤怠管理や給与計算が煩雑になりやすいことから、あまり望ましいとされていません。トラブルを未然に防ぐためにも、振替休日は「同一週内」、かつ「同一賃金計算期間内」に取得させることが推奨されています。

【出典】法定労働時間(労働基準法第32条、第40条)|厚生労働省(PDF)

代休の取得に関する注意点

代休を正しく運用するためには、いくつかの注意点があります。
まず、代休の取得をした場合でも従業員が休日労働を行ったという事実はなくならず、休日労働に対する35%以上の割増賃金の支払いが必要となる点に注意しましょう。

次に、代休の取得時期についてです。
法律上、取得時期に関する明確な定めはありませんが、長期間取得されないまま放置されてしまうと、労働者の休養確保という本来の目的が十分に果たされなくなる可能性があります。
実務上はできるだけ速やかな取得を促し、未消化とならないよう管理することが大切です。

さらに、運用のばらつきや認識のずれを防ぐためには、取得期限や申請・承認フローといった社内ルールを事前に就業規則等に定めておくこともトラブル防止において重要です。

振替休日に関するトラブル事例

振替休日は、単に休暇を管理するだけでなく、法定労働時間の把握や就業規則の整備など、適切な勤怠管理が欠かせません。管理不十分による法令違反などの思わぬリスクを未然に防ぐため、ここからは実際に起こりうる具体的なトラブル事例を紹介します。

複雑な休暇日数も自動集計でかんたんに
従業員の勤務状況を可視化できる勤怠管理システムはこちら

事例①:振替によって法定休日が確保されていない場合

振替休日の運用は「日数さえ合えば良い」わけではなく、週1日または4週4日の法定休日を維持しなければなりません。

たとえば、「週内に2日あった休日を両方出勤させ、振替休日をすべて翌週以降に設定した」、あるいは「休日出勤が続き、結果的に13日間連続勤務になってしまい、その期間中に1日も休みを確保できなかった」というケースは、いずれも労働基準法違反となります。
労基署からの指導や労使トラブルを防ぐためにも、常に週ごとの休暇管理を行う必要があります。

事例②:振替休日を時間単位で運用していた場合

振替休日は休日と労働日を入れ替える制度ですが、従業員からの申し出や繁忙期などの関係により、時間単位で調整してしまうケースも考えられます。しかし、振替休日は1日単位での入れ替えが原則であり、時間単位での分割運用は認められません。

そのため、たとえば「平日に2時間早く退勤させる代わりに、休日に2時間だけ出勤させる」といった、数時間単位の勤務調整などの運用は、本来の振替休日の要件を満たしていません。
このような運用をしてしまうと、休日の振替が成立していないと判断され、休日労働の割増賃金の支払いが必要となるなど、思わぬ労務トラブルにつながる可能性があります。

振替休日と代休の管理を効率化する方法

振替休日と代休の管理は、労働時間の把握や法定休日の確保など、複数の項目を正確に管理する必要があり、労務担当者にとって業務負担となりやすい分野です。効率的に管理していくためにどのような方法があるのか、具体的な内容を踏まえて紹介していきます。

振替休日・代休の申請・承認フローを整備する

振替休日や代休を適切に管理するためには、申請から承認までのフローを明確にしておくことが重要です。たとえば、以下のような運用になっている場合は注意が必要です。

  • 口頭やチャットのみでやり取りが完結している
  • 申請や承認の記録が一元管理されていない

このような状態では、後から処理内容を確認することが難しくなり、トラブル発生時に会社側が適切に対応できないというリスクがあります。
さらに、承認状況が不明確なままだと、事前に振替日を確定させるという要件を満たせないまま出勤当日を迎えてしまう可能性もあります。

本来は振替休日として扱えないにも関わらずそのまま処理されてしまうことによって発生する、割増賃金の支払いなどのトラブルを防ぐためにも、誰がどのタイミングで承認を行うのか明確に記録を残す体制づくりが必要です。

勤怠管理システムで休暇の取得状況を可視化する

休暇管理を正しく運用するためには、従業員の休暇取得状況や労働時間を正確に把握することが必要です。しかし、紙やExcelで勤怠管理を行っている場合、全体の状況を把握するまでに時間がかかるほか、ヒューマンエラーも発生しやすいというリスクがあります。

こうした問題を解決する方法として挙げられるのが、勤怠管理システムを活用して休暇の取得状況を可視化することです。システム上で振替休日や代休の取得状況を一元管理することで、誰がいつ休暇を取得しているのかをリアルタイムで確認できるようになります。

勤怠管理システムを導入するならクロノス

まとめ

振替休日は休日と労働日を入れ替える制度であり、この制度の利用により従業員の休養を適切に確保することができます。その一方で、事前に振替日を確定させる必要があることや、週や月ごとの労働時間の管理、未消化を防ぐための適切な休暇管理など、運用するうえで注意すべきポイントが多く、労務担当者にとっては業務負担になりやすい分野でもあります。こうした負担を軽減するためには、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

クロノスの勤怠管理システム「クロノスPerformance」なら、振替休日の管理に加え、有休管理や計画有休の管理、代休管理、さらに夏季休暇やリフレッシュ休暇などの残数管理項目を登録することが可能です。従業員の勤怠状況をリアルタイムで確認しつつ、さまざまな種類の休暇をシステムで一元管理できます。
また、アラート機能では、法定労働時間を超過する可能性がある場合に「予防アラート」として通知ができるため、時間外労働など労働時間の超過防止にも役立ちます。
可視化された休暇管理と、法令に基づいた運用を実現できる勤怠管理システムが気になった方は、ぜひ「クロノスPerformance」の導入をご検討ください。

複雑な休暇日数も自動集計でかんたんに
従業員の勤務状況を可視化できる勤怠管理システムはこちら

振替休日に関するよくある質問

なぜ土曜日は振替休日にならないの?

振替休日は、休日と労働日を入れ替える制度であるため、土曜日がすでに休日と定められている場合は入れ替える対象になりません。
たとえば完全週休2日制の企業の場合などは、土曜日があらかじめ休日として固定されている場合が多く、このような場合、最初から休みと決められている土曜日を振替休日とすることは制度上成立しません。

代休と振休はどちらが得か?

企業側の観点では、運用の柔軟性を重視するなら代休、人件費を抑えるなら振替休日がそれぞれ適していると考えられます。代休は割増賃金が発生するため人件費は増加しますが、事前の勤務日調整を必要としないため、突発的な業務にも対応しやすい点が特徴です。一方、振替休日は割増賃金を抑えられるうえ、事前に勤務日を調整できるため、労務管理を効率的に行いやすいというメリットがあります。

新着コラム