コアタイムとは何?フレックスタイム制との違いや
メリット・導入手順を徹底解説

クロノス広報チーム

公開日:2026.07.03、更新日:2026.07.03

近年、ワークライフバランスの向上や生産性改革に向けて多様な働き方が見直され、その選択肢としてフレックスタイム制を導入する企業が増えています。そうしたフレックスタイム制の普及に伴い、「コアタイム」という言葉を耳にする機会も増えてきました。
コアタイムとは、働きやすさと業務効率のバランスをとるうえで重要な役割を果たす仕組みです。しかし、コアタイムの具体的な設定や適正な時間数については、意外と知られていないケースも少なくありません。設定方法や運用の仕方によっては、フレックスタイムの制度のメリットを十分に活かせなくなってしまうこともあります。
本記事では、コアタイムの基本から運用にあたって押さえておきたいポイントや注意点まで、細かく解説していきます。

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コアタイムとは何か

コアタイムとは、フレックスタイム制を導入している企業において従業員が必ず勤務しなければならない時間帯のことです。日々の始業・終業時刻を従業員の裁量で柔軟に調整できるフレックスタイム制ですが、完全に自由にしてしまうと全員が集まる会議を設定しづらくなったり、部署間の連携に支障が出たりする可能性があります。そのため、業務の円滑な進行や社内コミュニケーションの確保などを目的に、全員が必ず勤務する時間帯となっています。

たとえば、コアタイムを10時から14時までと設定している場合、従業員はこの時間帯には必ず勤務している必要があります。しかし、それ以外の時間帯(フレキシブルタイム)については、7時から10時の間に出勤したり、14時以降に退勤したりといった柔軟な働き方が可能です。
コアタイムを設けることで、会議や打ち合わせの時間を確保しやすくなり、部署内外の連携が調整しやすくなります。

そもそもフレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、一定の期間(清算期間)で定められた総労働時間数の範囲内で、日々の始業・終業時刻を従業員が柔軟に決めることができる労働時間制です。
通常の勤務制度のように出退勤時刻が一律で固定されているのではなく、個人のライフスタイルや日々の業務状況に合わせて働く時間帯を調整できる点が特徴です。

このフレックスタイム制を運用するにあたり、従業員の就業を義務付ける「コアタイム」や、いつでも出退勤が可能な時間帯である「フレキシブルタイム」をそれぞれ設定している場合があります。
ただし、必ず設けなければならないものではないため、コアタイムを一切置かない「スーパーフレックスタイム制(または完全フレックス制)」を採用する企業もあります。

コアタイムとフレキシブルタイムの仕組み

企業によっては、コアタイムを設けないスーパーフレックスタイム制を採用している場合もありますが、そうでない場合のフレックスタイム制における勤務時間帯は、従業員が必ず勤務しなければならない「コアタイム」と、従業員が自由に始業・終業時刻を調整できる「フレキシブルタイム」に分けて設定されます。

たとえば、以下のようなタイムスケジュールが設定されている場合があります。

07:00~10:00 フレキシブルタイム (出勤が可能な時間帯)
10:00~14:00 コアタイム (必ず勤務する時間帯)
14:00~22:00 フレキシブルタイム (退勤時間を調整可能)

この場合、従業員は10時から14時までは必ず勤務する必要がありますが、それ以外の時間帯については、自身の都合や業務状況に応じて出退勤の時間を柔軟に決めることができます。
このように、コアタイムは労働の義務がある時間帯、フレキシブルタイムは自由に調整できる時間帯という役割の違いがあります。

コアタイムを設定する目的

コアタイムは、従業員の柔軟な働き方を確保しながら、社内の連携を維持し、業務を円滑に進めることを目的として設定されています。
フレックスタイム制において、コアタイムの設定は法律上の義務ではありません。コアタイムを設けないスーパーフレックスタイム制を導入した場合、従業員はより自由度の高い働き方が可能となりますが、勤務時間が完全に個人任せになると誰がいつ働いているのか把握しづらくなり、業務進行や社内コミュニケーションが円滑に進まない可能性も出てきます。
たとえば、重要な会議や打ち合わせを設定する際でも、従業員ごとの勤務時間が大きく異なるためスケジュール調整に時間がかかり、意思決定が遅延してしまうといったケースも考えられます。

コアタイムを設定している場合は、従業員が必ず勤務している共通の時間帯を確保できます。そのため、上司や同僚との相談・確認がしやすくなり、業務の遅延や認識のずれを防ぎやすくなることにつながります。

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企業でコアタイムを導入するメリット

コアタイムは組織としての連携を保ちながら円滑に業務を進める目的で設定されますが、これを導入することで企業や従業員双方が得られるメリットは、社内コミュニケーションの円滑化以外にも様々あります。ここからは、コアタイムを導入するメリットについて、一つひとつ具体的に解説していきます。

①柔軟な働き方が可能であることをアピールできる

完全に自由なスーパーフレックスタイム制とは異なり、コアタイムという「全員が共通して稼働する時間」が設けられていることで、入社後の社内コミュニケーションや業務連携に不安を抱きにくく、誰もが安心して働ける環境が整っているというポジティブな印象を与えやすくなります。そのため、柔軟でありながらも組織としての一体感が持ちやすく、「働きやすい会社」という印象につながり、採用活動において応募者の増加や、良い人材が集まりやすくなるという点がメリットとして挙げられます。
また、フレックスタイム制を導入していない企業や、コアタイムが設定されていない企業と比較した際の差別化も図ることができ、子育て中や介護中、通院中など多様な事情を抱える人材にも響きやすくなります。

②従業員のストレスや負担の軽減につながる

コアタイムの時間帯に合わせながら出退勤時間を自由に調整できるため、毎日必ず同じ時間に出勤しなければならないという決まりごとから解放されるだけでなく、実務や私生活の状況に合わせた主体的かつ無理のない働き方ができるようになります。

たとえば、朝の通勤ラッシュによる電車の混雑時間帯を避けて時差出勤をすれば、満員電車による身体的・精神的ストレスを日々最小限に抑えることができたり、体調が優れない日には出勤時間を遅らせたり、通院の予定に合わせて勤務時間を調整することも可能です。

さらに、子供の送り迎えなどにも対応しやすくなり、家庭や育児といった私生活との両立がしやすくなる点も大きなメリットといえます。

③離職防止につながる

出退勤の時間をコアタイムに合わせて柔軟に調整できることが従業員の働きやすさに直結し、将来的な離職を防ぐ大きな要因につながります。
特に、ライフステージの変化によってワークライフバランスを見直さざるを得ない状況になっても、育児や介護、自身の通院といった個人の事情と仕事を両立しやすくなるため、やむを得ない理由による離職を未然に防ぐことが期待できます。

また、コアタイムが設定されていることで必ず社員が勤務している時間帯が生まれるため、万が一トラブルが発生した際にも周囲への相談や連携しやすい環境が整います。孤立を防ぐ仕組みは、すべての時間が個人の裁量にゆだねられているスーパーフレックスタイム制と比較しても心理的な安心感を与えることができるため、会社への定着率を高めるというメリットがあります。

コアタイムを設定する際の手続きの流れ

コアタイムの設定は、単に時間帯を決めて適用させるだけでなく、労使間での合意や就業規則への規定など、労働基準法に沿った手続きが必要です。
ここからは、コアタイムを設定する際に必要となるポイントについて解説していきます。

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①フレックスタイム制度の導入

まず前提として、コアタイムを設定するためには、ベースとなるフレックスタイム制を導入する必要があります。コアタイムはフレックスタイム制の中で設けられる仕組みであるため、通常の固定労働時間制のまま時間帯だけを指定することはできません。
業務内容や勤務形態に適しているか見極めたうえで、対象となる従業員の適用範囲や清算期間といった具体的な制度設計を行う必要があります。

②就業規則に明記

フレックスタイム制、およびコアタイムを導入する際には、その具体的な内容を就業規則に明記する必要があります。
勤務時間のルールは労働条件の重要な要素であるため、制度の対象となる従業員の適用範囲をはじめ、コアタイムやフレキシブルタイムの時間帯などを正確に明記して定めておかなければなりません。

③労使協定の締結

労使協定とは、会社と労働者(または労働者の代表)の間で取り決めを行うものであり、フレックスタイム制を適用するためには法的に必要な要件のひとつです。
労使協定では、清算期間や総労働時間、コアタイムおよびフレキシブルタイムの設定などについて具体的に定めます。なかでもコアタイムを設定する場合には、その有無と具体的な時間についても明記しておく必要があります。

コアタイムの適正時間に関する規定はあるのか

労働基準法では、コアタイムの設定有無や具体的な適正時間に関する一律の規定は設けられていません。
しかし、フレックスタイム制の本来の目的である柔軟な働き方を損なわないためには、適正時間を検討するうえで下記の3点に注意する必要があります。

  • 長すぎるコアタイムの設定に注意すること
    コアタイムの時間帯を長く設定しすぎてしまうと、定時勤務との差がなくなり、始業・終業時刻を自由に調整できるというフレックスタイム制の制度の意義が薄れてしまいます。特に、育児や介護、通院といった個人の事情をもつ従業員に対して、過度な拘束時間とならないよう配慮が必要です。
  • 業務上の必要性に基づくこと
    ミーティングの実施や顧客対応など、どうしても全員の在席が必要な時間帯もあるはずです。しかし、それらは業務上の必要性を精査した上で、必要最小限の時間に絞り込む必要があります。
  • 実態に応じて設定すること
    全社一律で時間を固定するのではなく、部署ごとの業務実態に応じて柔軟に時間を設定し、業務効率と柔軟性のバランスを取ることが重要です。

コアタイムの前後に十分なフレキシブルタイムを確保することが、従業員が実際に始業・終業時刻を調整できる柔軟な働き方のできる環境につながります。コアタイムの設定にあたっては形式的な時間設計にせず、日々の運用実態や従業員の利用状況を定期的に見直しながら検討しましょう。

コアタイムの時間帯に遅刻・早退・半休を取得した場合の取り扱い

コアタイムとして設定されている時間帯は勤務している必要があるため、この時間帯に出勤が遅れた場合は「遅刻」、途中で退勤した場合は「早退」として取り扱われます。また、コアタイムにかかる半日休暇の取得についても、就業規則に沿った事前の申請と承認が必要です。

ここで実務上、特に注意すべきなのが給与計算(賃金控除)との関係です。
コアタイムに遅刻や早退をした場合であっても、フレックスタイム制においては、労働時間は「清算期間における総労働時間」で管理されるのが原則です。そのため、コアタイム中の不就労時間があったとしても、清算期間全体で所定労働時間を満たしていれば、その時間を直ちに賃金控除を行うことは適切ではありません。

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まとめ

フレックスタイム制におけるコアタイムは、従業員の柔軟な働き方と業務効率向上の双方を両立させるために不可欠な仕組みです。
フレキシブルタイムによって従業員が自由に始業・終業時刻を調整する柔軟な時間管理を可能にしつつ、コアタイムを設けることで会議や打ち合わせといった社内連携を円滑に進めることができます。

しかしその一方で、実務の運用面においては日々の出退勤記録だけでなく、清算期間ごとの総労働時間の集計、時間の過不足集計、残業時間の判定など、複雑な管理が求められます。
従業員ごとに異なる勤務パターンを適切に管理し、労務担当者の業務負担を軽減するためには、フレックスタイム制に対応した勤怠管理システムを導入し、日々の勤怠状況を正確に把握できる体制を整えることが重要です。

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労務管理者の業務負担を軽減しつつ、フレックスタイム制に対応した柔軟な勤怠管理システムが気になった方は、ぜひ「クロノスPerformance」の導入をご検討ください。

コアタイムに関するよくある質問

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フレックスタイムとコアタイムの違いは何ですか?

フレックスタイム制とは、従業員が始業・終業時刻を自由に決められる働き方の制度全体のことを指します。一方でコアタイムとは、フレックスタイム制の中で設定される“従業員が必ず勤務しなければならない時間帯”のことを指します。
企業によってはコアタイムを設けず、より柔軟な働き方を実現するスーパーフレックスタイム制を採用している場合もあります。

コアタイムは何時から何時ですか?

コアタイムの時間帯は、社内外との連携や会議が集中しやすい「10時~15時」などで設定されるのが一般的です。法律上で何時から何時までと定められているものではなく、企業ごとの業務の内容や運用に応じて自由に設定されます。ただし、法律での定めがないからといって時間を長く設定しすぎると、制度本来の柔軟性が失われてしまうため、必要最小限の時間に留めることが実務上では重要です。

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