租税公課とは何?
経費に課該当する項目一覧や仕訳の例を徹底解説

クロノス広報チーム

公開日:2026.04.08、更新日:2026.04.08

租税公課とは、会社が事業を行ううえで発生する税金や公的費用をまとめた勘定科目です。

企業活動には欠かせない科目ですが、税金の種類によって損金に算入できるかどうかが分かれるため、経理実務では判断に迷いやすい分野でもあります。正しく会計処理を行うには、あらかじめ計上ルールや注意点などを整理して処理を行うことが重要です。

本記事では、どのような税金や費用が租税公課に該当するのか、注意が必要な勘定科目やその仕訳例など、会計処理を行うポイントについてわかりやすく解説していきます。

租税公課とは?

租税公課とは、企業や個人事業主が事業を行う際に国や地方自治体へ支払う税金や公的な負担金を処理するための勘定科目です。
「租税」とは、国や地方公共団体に収める税金のことを指し、「公課」とは公共団体に収める負担金や会費などを指します。
ただし、企業の利益に対して課される法人税、住民税、事業税のうち所得割などは「法人税等」の勘定科目として扱われるため、租税公課には含まれない点に注意が必要です。

租税公課に該当する主な税金には、事業用の土地・建物にかかる固定資産税、車両にかかる自動車税や重量税、契約書に貼付する印紙税などがあります。また税金以外にも、登録免許税や行政手数料、商工会議所の会費といった公的な性質を持つ費用もこの科目に含まれます。
このように租税公課と法人税に該当する費用を正しく整理することで、事業を継続するうえで必要な公的支出と、利益に対する税負担を明確に切り分けて把握できるようになります。

特に拠点数や資産が多い企業ほど、固定資産税や印紙税などの負担は大きくなる傾向にあります。
また、年度ごとに税率や制度が変更される場合もあり、法改正の影響を受けやすい分野でもあります。たとえば、固定資産税の軽減措置や自動車税の税率改定など、毎年のように見直しが行われる項目も存在しています。

租税公課と法人税等を区別することは、簿記の基本的な考え方にも通じており、誤った科目で処理してしまうと財務諸表に影響が出る可能性もあるため注意が必要です。

事業規模に応じて増大するコストだからこそ、日頃から正確に計上し、計画的な資金管理に役立てることが重要です。特に決算期には、未払計上の有無や損金算入時期の判断など、細かく確認しましょう。

租税公課の対象になるもの

租税公課に含まれるのは、事業を行ううえで国や地方自治体、公共団体に収める税金や負担金などです。以下に租税公課の対象項目を表形式でまとめました。

名称 内容
固定資産税 事業用に保有する土地・建物・設備などに課される税金
償却資産もここに含まれる
事業税 法人・個人の事業活動に対して課される税金
自動車税 事業用車両に対して課される税金
軽自動車税 軽自動車や原付バイクに課される税金
自動車重量税 車の重量に応じて課される税金
印紙税 契約書や領収書などの文書作成に対して課される税金
登録免許税 会社設立や役員変更などの登記手続きに対して課される税金
都市計画税 市街化区域内にある土地や建物に対して課される税金
不動産取得税 土地や建物を取得した際に課される税金
宿泊税 事業のなかでホテルに宿泊した場合に課せられる税金
各種証明書の発行手数料 登記事項証明書、住民票などの公的証明書を発行する際に課される手数料

このように、公的機関に支払う税金や負担金など幅広く租税公課の対象になります。
対象となる項目は固定資産税や自動車税のような毎年発生するものから、不動産取得税や登録免許税のように特定の取引の際だけ発生するものまで、多岐にわたります。

仕訳処理の手間とミスを大幅に削減
経理業務を効率化させる経費精算システムはこちら

租税公課の対象にならないもの

一方で、法人税や加算税、社会保険料など、租税公課に分類されない項目も多く存在します。
租税公課の対象にならないものについて、以下にまとめてみました。

名称 内容
法人税 地方自治体が課す法人の所得に対する税金
利益に基づくため、租税公課ではなく法人税等
消費税 預かった消費税から支払った消費税を相殺して納付
費用ではなく、仮受・仮払の項目
社会保険料(会社負担分) 健康保険・厚生年金・雇用保険など
税金ではなく、法定福利費で処理を行う
労働保険料 労働者保護のための保険料
公的制度だが税金でないため、租税公課には含まれない

租税公課は、あくまで事業の運営自体にかかる税金と公的費用が対象となりますが、利益にかかる税金や罰金、加算税、保険料や寄付金は含まれません。
特に法人税や住民税の勘定科目は法人税等、社会保険料は法定福利費など、勘定科目が明確に異なる項目も多いため、注意が必要です。

租税公課の消費税区分は?

消費税は対価を得て行う取引に対して課されるため、対価性のない公的な支払いである租税公課は、原則として不課税となります。
法人税や固定資産税、印紙税などの税金は、公共サービスを維持するための義務的な負担であり、特定のサービスへの直接的な対価ではないため不課税として処理されます。

しかし、租税公課の中には非課税として扱われる例外もあります。
たとえば、行政手数料(住民票の発行手数料など)や、パスポートの発行手数料などがこれに該当します。これらは行政サービスの対価という側面があるため、本来は課税対象になり得ますが、消費税法によってあえて「課税しない(非課税)」と定められています。

実務上は不課税も非課税も「消費税がかからない」という点では同じですが、課税売上割合の計算などに影響するため、取引内容を確認しながら正して区分することが重要です。

仕訳処理の手間とミスを大幅に削減
経理業務を効率化させる経費精算システムはこちら

不課税・非課税の違い

不課税と非課税は、どちらも消費税が課されないという点では共通していますが、税務上の位置づけは異なります。
まず不課税とは、取引そのものが消費税の課税対象となる要件に該当しないため、そもそも消費税の対象外となる取引のことを指します。
対して非課税は、本来は消費税の課税対象となる取引であるものの、資産の移転や金融取引など、課税が実務上困難な取引については、社会的・制度的な配慮の観点から消費税を課さないと定められているものを指します。

国税庁が示している「No.6201 非課税となる取引」では、主な非課税取引として以下が挙げられています。

  • 土地の譲渡および賃付け
  • 国債や株券など、有価証券等の譲渡
  • 銀行券や小切手、約束手形など支払い手段の譲渡
  • 預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等
  • 日本郵便株式会社などが行う郵便小切手類の譲渡
  • 印紙の売渡し場所における印紙の譲渡
  • 国や地方公共団体など法令に基づいて行う事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
  • 社会保険医療の給付
  • 介護保険サービスの提供
  • 社会福祉事業等によるサービスの提供 など

特に収入印紙は、印紙を納税に使用する場合は不課税として扱われますが、郵便局などで購入する場合は非課税取引となります。

【出典】No.6201 非課税となる取引|国税庁

租税公課における消費税の仕訳の例

消費税の会計処理には税抜経理方式と税込経理方式の2種類があり、どちらを選択するかで仕訳の方法や、利益の表示金額が異なるため、処理を行ううえで押さえておきたい非常に大事なポイントになります。
ここでは、税抜経理方式と税込経理方式のそれぞれの違いについて、具体的な仕訳例を交えながらわかりやすく解説していきます。

税抜経理方式の場合の仕訳

税抜経理方式とは、消費税を含まない金額(税抜金額)で取引金額を記帳する方法です。
購入金額を本体部分と税金部分で切り離して記帳するイメージで、消費税分は仮受消費税や仮払消費税といった別勘定で管理します。
税抜経理方式のメリットは、本体価格と税額が分離して記録されるため、納付すべき消費税額をあらかじめ明確に把握し、正確な利益額を期中から確認できる点です。
一方で、日々の取引ごとに税抜金額と税額を分けて記帳する必要があるため、取引数が多い場合や複数の税率が混在するケースでは、仕訳が煩雑で業務負担になりやすいというデメリットもあります。ただし、会計ソフトでは税額計算や仕訳の自動化が可能となるケースが多く、システムの導入によってこうした負担は解消できます。

たとえば、商品を22,000円(税込)で販売し、現金で受け取った場合(税率10%)、税抜経理方式を用いて仕訳を行うと次のようになります。

借方 貸方
現金 22,000 売上 20,000
仮受消費税 2,000

税込経理方式の場合の仕訳

税込経理方式とは、消費税を含めた総額で取引金額を処理し、消費税部分を本体金額と区別せずに処理する会計方法です。

売上や仕入、経費などすべて税込で記帳するため日々の仕訳がシンプルで、税抜経理方式と比較して経理担当者の業務を負担できるという点がメリットです。
また、税込金額のみで管理できるため、レジ締めや売上確認など現場での金銭管理との整合性も取りやすくなっています。
一方で、消費税額が本体価格に含まれたまま管理するため、消費税の負担額を正確に把握しにくいというデメリットもあります。

たとえば、商品を5,500円(税込)で販売し、現金で受け取った場合の仕訳を税込経理方式で行った場合、次のようになります。

借方 貸方
現金 5,500 売上 5,500

租税公課として計上する際に注意が必要な勘定科目

租税公課は税目ごとに対処法が異なるため、実務では項目に合わせた正確な処理が求められます。
ここからは、取り扱いに迷いやすい印紙税や所得税、固定資産税について、それぞれのポイントを整理しながら解説していきます。

仕訳処理の手間とミスを大幅に削減
経理業務を効率化させる経費精算システムはこちら

①印紙税

郵便局や法務局で収入印紙を購入した場合、その購入費は印紙税として租税公課を用いて費用計上します。

【仕訳例】契約書に貼付するため、2,000円の収入印紙を現金で購入した場合

借方 貸方
租税公課 2,000 現金 2,000

すぐに貼付して使用する場合は上記のように租税公課として処理を行いますが、まとめて購入して期末などに収入印紙の未使用分が残っている場合は、資産の勘定科目である貯蔵品に振り替えて仕訳を行う必要があるため、注意が必要です。

②法人税・法人住民税

法人税や法人住民税は事業で利益が確定した後に、その利益に対して課される税金であるため、事業の経費である租税公課として計上することはできません
法人税や法人住民税を計上する場合は、「法人税等」の勘定科目を用いて処理します。

まず、当期の法人税等額が確定した後、その金額を費用として計上し、同時にまだ支払っていない税金として未払法人税を計上します。

借方 貸方
法人税等 200,000 未払法人税等 200,000

決算後、翌期に法人税を税務署に納付する際に、先に計上していた未払法人税等を精算します。費用はすでに計上済みのため、支払い時には費用は増えず、負債を減らす形で仕訳を行います。

借方 貸方
未払法人税等 200,000 現金 200,000

③固定資産税

固定資産税は、企業が事業のために負担する費用であるため、租税公課として計上することが可能です。計上の方法は2種類あり、納税通知書が届いた時と、固定資産税を納付した時です。後者の場合は、通知書を受領した段階では仕訳を行わず、実際に支払ったタイミングで費用計上する方法となります。

まず、市区町村から固定資産税120,000円の納税通知書が届いた時点で固定資産税の負担が確定したとして費用計上する場合、仕訳例としては次のようになります。

借方 貸方
租税公課 120,000 未払金 120,000

納税通知書が届いた際に計上する場合、固定資産税の金額が決まったタイミングに全額租税公課で費用計上を行います。後日銀行から納付した場合は次のように仕訳を行います。

借方 貸方
未払金 120,000 普通預金 120,000

実際に固定資産税を支払った時点で計上する場合、納税通知書が届いた時点では処理を行わず、支払ったタイミングで処理する場合には次のように仕訳を行います。

借方 貸方
租税公課 120,000 普通預金 120,000

通知書を受領時、あるいは支払い時のどちらで計上しても原則として問題ありませんが、会計処理の透明性を保つためにも、一度選択した方法で毎期一貫して適用することが重要です。

未払租税公課に関する確定申告はどのように対応する?

税金を必要経費に算入できるのは、税額が確定したものに限られます。
しかし租税公課の中には、当期に納税義務が確定しているものの、実際の納付が翌期となる場合があります。このような「未払租税公課」は、法令で定められた例外規定に該当する場合、支払い前であっても当期の損金として算入することができます。

適切な確定申告を行うためには、発生している税金に対して未払計上を行い、当期の損金と翌期の納付額を正しく区別できるようにすることが重要です。

【仕訳例】当期に発生した固定資産税200,000円を翌期に支払う場合

借方 貸方
租税公課 200,000 未払金 200,000

この処理を行うことで、当期の損益をより正確に反映させることができ、財務状況を正しく把握することが可能となります。ただし、法人税や住民税などは対象外となるため、計上する項目を正しく処理することが重要です。
さらに、税目によっては例外規定が細かく定められているため、実務では法令の内容や税務署からの通達を確認し、計算方法に注意しながら処理を行う必要があります。

経費精算システムを導入するならクロノス

まとめ

会社が事業を行ううえで負担する税金や公的な手数料を処理するための勘定科目が、租税公課です。
税金や公的な手数料の処理は、会社が事業を継続するうえで避けては通れない業務でありながらも、その取り扱いは一律ではありません。固定資産税や印紙税のように「租税公課」として経費計上できるものがある一方で、法人税や住民税のように租税公課に該当しないものもあり、損金算入の可否や消費税区分の判断には常に正確な判断が求められます。

こうした複雑な租税公課の処理をミスなく行うためには、経費精算システムの活用が有効的です。
クロノスの経費精算システムなら、会計ソフトに対応した仕訳データの作成もシステムで行うことができ、経費に関わる業務を一元管理することができます。また、インボイス登録番号は国税庁のデータベースを照合しているため、登録確認にかかる手間を削減し、正確な処理が可能となります。
経理担当者の業務負担を軽減させながら、正確でスムーズな経費計上が可能になる経費精算システムが気になった方は、ぜひ『クロノス経費精算』の導入をご検討ください。

仕訳処理の手間とミスを大幅に削減
経理業務を効率化させる経費精算システムはこちら

新着コラム