法定休日とは?
法定外休日との違い、出勤した際の割増賃金など解説

クロノス広報チーム

公開日:2026.04.01、更新日:2026.04.01

日々の労働を行うなかで身近な存在である休日ですが、その中でも法定休日がどのようなものか正しく理解されていないケースは意外と多くあります。
法定休日とは、労働基準法で定められた”週に1回、または4週間に4回以上”の休日であり、企業が任意で設定する法定外休日とは、賃金の割増率や計算方法が明確に異なります。

本記事では、法定休日の基本的な考え方から、混同されやすい振替休日や代休などとの違い、休日出勤する際の法的なルールについてまで、人事・労務担当者の実務に欠かせない基礎知識をわかりやすく解説します。

法定休日とは

法定休日とは、労働基準法第35条で定められた企業が従業員に必ず与えなければならない最低限の休日のことを指します。会社は従業員に対し、週に1回、または4週間に4回以上の休日を付与しなければなりません。

「法定外休日」と呼ばれる休日は、会社が独自に定める休日のことを指し、法定休日とは区別されます。
この2つは一見すると同じように思われがちですが、休日出勤した際の割増賃金の計算方法が大きく異なり、法定休日に勤務した場合には通常賃金の35%以上の割増賃金を支払う義務があるため、注意が必要です。

また、法定外休日における労働は、1週40時間の法定労働時間を超えた部分のみが時間外労働として扱われます。割増率や計算方法が異なるため、企業は法定休日が何を指すのかきちんと理解し、就業規則で法定休日と法定外休日を明確に区別することが大切です。

法定休日に関する労働基準法の基本ルール

労働基準法では、法定休日に関してのルールが定められています。
法定休日に対する理解が曖昧になってしまうと、割増賃金の誤計算などのトラブルに繋がるリスクもあるため、しっかり理解しておく必要があります。

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法定休日を特定する必要はない

労働基準法では週1回以上の休日を義務付けており、特定の曜日を指定することまでは定められていません。そのため、就業規則で法定休日を特定しなくても法令違反にはなりませんが、特定しない場合は暦週の最後(週の起算日が日曜日である場合は原則土曜日)に確保された休日が自動的に法定休日とみなされます。

法定休日を特定しない場合は曜日ごとに休日が固定されないため、シフト制や交替勤務などの勤務形態を採用している企業にとっては、柔軟な人員配置を可能にするメリットがある一方、週ごとに法定休日が変わることで計算も複雑になるため、割増賃金のミスを招いてしまうリスクも考えられます。

そのため、法定休日を特定することまでは義務付けられていませんが、運用上のミスを防ぐ観点からは、あらかじめ特定することが望ましいとされています。

日曜日・土曜日・祝日は必ずしも法定休日ではない

一般的に多くの企業で休日とされている日曜日・土曜日・祝日ですが、これらが必ずしも法定休日に該当するわけではありません。
法定休日とは週に1回、4週間に4回以上必ず与えなければならない最低限の休日であり、どの日を法定休日とするかは、企業が就業規則などで自由に設定することができます

そのため、土曜日や祝日といった多くの企業で一般的な休日であっても、実際には法定外休日として位置づけられているケースも少なくありません。“カレンダー上の休日=法定休日”と認識してしまうと、休日出勤時の割増賃金の判断や、36協定の適用を誤るリスクがあります。
法定休日と法定外休日では取り扱いが大きく異なるため、両者を正確に区別し、就業規則に基づいて管理することが重要です。

参考:労働基準法とは?|契約ウォッチ
参考:就業規則とは?|契約ウォッチ

法定休日と法定外休日(所定休日)のちがい

前述したように、法律で定められた法定休日とは異なり、企業が独自に設定する休日を法定外休日(所定休日)と呼びます。
法定外休日は、企業が就業規則や勤務形態に応じて任意に設定する休日のことであり、法律上の義務としての休日ではないため、出勤した場合も休日労働とはならず、労働時間が法定労働時間を超えた場合にのみ時間外労働として扱われます。

それに対し法定休日は、労働基準法により策定されている最低限の休日であり、法的に保障されている休日です。
混同しやすい法定休日と法定外休日の違いについて、以下に表でまとめてみました。

項目 法定休日 法定外休日
定義 労働基準法により、必ず与えなければならない休日 企業が就業規則などで独自に定める休日。法的義務はない
付与 法律の規定に基づき、企業に
付与義務がある
企業が任意に設定
出勤した場合 休日労働として扱う 休日労働にはならない。週40時間超過分のみ時間外労働扱いとする
労働した場合の割増賃金 35%以上の割増賃金 法定労働時間を超えた場合のみ25%以上
就業規則への記載 法定休日を特定する義務はないが、明示することが望ましい 企業の制度として、就業規則に記載される

その他の休日の種類

法定休日と法定外休日の違いについて解説しましたが、企業で扱われる休日の種類はこれだけではありません。
休日にはいくつかの種類があり、それぞれがどのような意味を持つのか理解しておくことが重要です。ここからは、休日の種類について一つひとつ解説していきます。

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振替休日

振替休日とは、もともと休日だった日を労働日に変更し、その代わりに別の労働日を休日に振り替える制度のことを指します。
ここで押さえておきたいのが、休日と労働日は事前に入れ替える必要があるという点です。
後から入れ替えを行う休日と労働日を決めてしまうと、振替休日には該当しなくなってしまうため、注意が必要です。

また、振替休日は休日と労働日を入れ替えているため、入れ替える前が元々休日であった日に出勤したとしてもその日は通常の労働日扱いとなり、割増賃金の支払いは必要ありません。

代休

代休とは、休日に働いたあと、代わりの休みを別日に与える制度です。
振替休日と混同されやすいですが、事前に休日と労働日を入れ替える振替休日とは異なり、代休は休日労働を行ったあと、つまり事後的に付与される休日であるという点が大きな違いとなります。
代休の場合は、休日労働を行ったという事実がそのまま残るため、法定休日に働いた場合は35%以上の割増賃金が必ず発生します。
代休を与えたとしても、休日労働としての割増を減らしたり、相殺したりすることはできません。

祝日

祝日は、すべて休日として扱われます。
国民の祝日に関する法律第3条では、「国民の祝日は、休日とする」と規定されており、祝日は法律で定められた休日です。
また、祝日は現在年間16日定められていますが、それぞれ何を祝い、記念するものなのかという点が明確に規定されています。祝日が日曜日と重なった場合、それ以降のもっとも近い平日を祝日として振り替えるという制度も、国民の祝日に関する法律の中で定められています。

年次有給休暇

年次有給休暇とは、労働基準法第39条で定められている、労働者が給与を受けたまま取得できる休暇です。パート、アルバイト、正社員、契約社員など、雇用形態に関わらず、一定の条件を満たしたすべての労働者に付与されます。
労働者には、時季指定権という希望する日にちに有給休暇を請求する権利があり、原則として会社はその希望通りの日付で有給休暇を認めなければなりません。
一方で、会社側にも時季変更権という権利があります。これは、事業の運営を妨げる場合に限り取得日を別の日に変更できるというものです。
あくまでも有給休暇の取得日を調整するための権利であるため、取得そのものを拒否することはできません。

法定休日に関する休日労働のルール

法定休日に労働が発生した場合は、通常の勤務日と異なる扱いになるため、割増賃金の支払い義務、36協定の必要性など、実務上注意するべきポイントが複数あります。ここでは、法定休日に関する休日労働のルールについて、整理しながら解説します。

休日労働を命ずるには「36協定」締結が必須

会社が従業員に休日労働を命じるには、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ている必要があります
万が一、36協定の届け出がない状態で休日の労働を命じた場合、労働基準法違反として罰則の対象となる可能性があります。これは労働基準法第36条に定められており、時間外労働と休日労働はいずれも36協定の締結があって初めて可能になるものです。

なお、あらかじめ休日と労働日を入れ替える振替休日を正しく適用していれば、その日は休日労働扱いにならず、割増賃金も発生しません。
しかし、急な業務で振替の手続きが間に合わないなどの運用ミスなどが起きると、結果的に休日労働とみなされるリスクがあるため、振替休日を導入している企業であっても36協定を結んでおくことが望ましいといえます。

法定休日に出勤した場合の割増賃金

法定休日に出勤した場合、その日は休日労働として扱われ、通常賃金の35%以上の割増賃金を支払う必要があります。これは法定休日が、労働基準法で定められた最低限の休日であるためです。

割増賃金の計算方法は、1時間当たりの賃金を算出し、その金額に35%以上の割増率を加算して支払います。たとえば時給1,500円の場合、法定休日労働の賃金は1,500円×1.35=2,025円となります。

また、休日労働は時間外労働とは異なり、法定労働時間の超過に関わらず、割増率が一律で適用されるという点も特徴です。
割増賃金の計算を誤ってしまうと、未払い賃金のトラブルや労働基準監督署からの是正指導に直結するため、正しく理解することが大切です。

法定外休日に出勤した場合の割増賃金

法定外休日はあくまで会社が任意に設定した休日であるため、法定外休日に出勤した場合でも割増賃金は発生しません。

しかし、労働基準法では原則として1日8時間、週40時間を超えて働かせる場合には、時間外労働として25%以上の割増賃金を支払う必要があると定められています。
そのため、法定外休日に出勤した結果、労働時間が週40時間を超えた部分については時間外労働として25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

たとえば、月曜日から金曜日までの勤務時間が40時間で、法定外休日である土曜日に6時間勤務した場合を例に考えていきます。
この場合、土曜日に勤務した6時間が週40時間を超える部分に該当するため、時間外労働として割増賃金の対象になります。
時給が1,500円の場合、時間外労働の割増率である25%を加えると割増後の時給は1,500円×1.25=1,875円となります。
そのため超過した6時間の賃金は、1,875円×6時間=11,250円となります。

週40時間に収まっているかどうかで割増の有無が変わるため、日々の勤務時間を正確に記録することが非常に重要なのです。

いつが法定休日か判別する方法

法定休日は法律で定められた最低限の休日ですが、特定の曜日や日付が固定で決められているわけではありません。どの日を法定休日とするかどうかは、企業が就業規則などで決めることができます。
そのため、従業員自身が「どの日が法定休日なのか」を正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、いつが法定休日なのか判断する際のポイントについて、わかりやすく解説していきます。

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労働契約・就業規則の定めがある場合

労働契約書や就業規則に法定休日の規定がある場合、企業はその規定に従って運用する必要があります。
具体的には、「毎週日曜日を法定休日とする」といった記載や、「週休2日のうち、日曜日を法定休日、土曜日を法定外休日とする」のように曜日を明確に区分しているケースが該当します。

休日は不定期になりやすいシフト制の職場でも、「法定休日は毎週水曜日とする」や「日曜日は法定休日とする」といった明記があればその曜日が法定休日となるため、まずは自社の就業規則や契約内容を確認することが重要です。

労働契約・就業規則の定めがない場合

労働契約書や就業規則で法定休日が明確に定められていない場合、その企業は法定休日を特定していないとみなされます。
その場合、法定休日は労働基準法のルールに従い、週の中でもっとも後ろに位置する休日が法定休日として扱われます。たとえば、土日休みの週に両日とも労働した場合は、週の起算日が日曜であるとすると暦週の末日である土曜日の労働が法定休日の労働となります。
厚生労働省は、こうした未特定の運用について、割増賃金を抑えられる側面がある一方で、法定休日が毎週変動してしまうことから、割増賃金の支払いや36協定の管理においてトラブルを招きやすいと指摘しています。
そのため、実務上はあらかじめ就業規則で法定休日を明確に定めておくことが望ましいでしょう。

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まとめ

法定休日は、労働基準法で義務付けられている全ての労働者に保障される最低限の休日です。
企業が独自に定める法定外休日とは、法的義務や休日出勤した場合の賃金の割増率などが異なります。
法定休日がいつとなるのかを就業規則等で明記しておくことは、給与計算のミスを防ぐだけでなく、従業員との信頼関係を守るうえでも非常に重要です。

クロノスの勤怠管理システムなら、複雑な法定休日・法定外休日の管理や、それに伴う休日出勤の集計も正確かつスムーズに行うことができます。
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