クロノス広報チーム
勤怠管理において長年利用されているタイムカード。
特に紙のタイムカードは導入コストも低く、シンプルで導入しやすい一方で、保管コストなど紙ならではの課題も少なくありません。働き方が多様化する今、従来の方法では対応しきれない場面も増えてきたのではないでしょうか。
本記事では、「そろそろ勤怠管理を見直したい」と感じている方に向けて、タイムカードの基本的な仕組みから種類の違いを整理しつつ、紙運用とシステム管理の比較やメリットについてわかりやすく解説します。
タイムカードの仕組み
タイムカードとは、従業員の出勤・退勤時間などを記録するためのカードのことを指し、タイムレコーダーと呼ばれる機械と併せて使われます。
紙製のタイムカードもあれば、ICカードや生体認証を用いるデジタルな運用もあり、従業員一人ひとりの労働時間を把握するために運用されますが、この記録は法定帳簿として一定期間の保管が義務付けられており、勤怠を管理するにあたっては欠かせない重要なツールのひとつです。
タイムカードを活用するメリット
タイムカードを活用するメリットとして、従業員が使いやすいという点が挙げられます。その理由は、「操作がシンプルで迷わない」ためです。
例えば、紙のタイムカードの場合、出勤時にカードを差し込み、退勤時にまたカードを差し込む、という流れで出退勤時刻の記録ができます。複雑な操作もないため、働きはじめて間もない新人、アルバイトの従業員でもすぐに使いこなすことが可能です。
タイムカードを活用するデメリット
しかし、タイムカードにはデメリットもあります。まず、管理に手間がかかるという点です。労働基準法109条では勤怠記録の保管期間が定められており、その期間は原則5年間です。
特に紙製のタイムカードの場合は、量が増えると保管も煩雑になり、過去のカードを探すのにも手間がかかります。
さらに、給与計算のために毎月手作業で集計・転記をする必要があるため、ヒューマンエラーの原因となります。
タイムカードの種類と特徴
一概にタイムカードやタイムレコーダーといっても、その中には様々な種類や特徴があります。
タイムカードは紙製のものが一般的ですが、タイムレコーダーにはどのような種類があり、どのような特徴があるのか、さらにどんなメリット・デメリットがあるのか、1つずつ丁寧に解説していきます。
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1.紙
紙のタイムカードを用いた打刻方法は、専用の紙のタイムカードをタイムレコーダーに差し込むと、日付や時刻が印字されるというシンプルな仕組みです。操作が簡単で誰でも使いやすく、導入コストも低いところが大きなメリットとなっています。
一方で、勤怠に関する日々の計算や集計作業の際には手作業での計算が必要となるなど手間がかかり、従業員の不正打刻や、管理者が従業員の勤怠記録を改ざんしてしまうといったリスクもデメリットとして挙げられます。
2.ICカード
ICカードを用いた打刻方法は、FeliCa(フェリカ)やMifare(マイフェア)といった非接触型のICカードをタイムレコーダーにかざして打刻する仕組みです。カードをかざすだけで時間の記録が完了するため、スムーズな打刻が可能となります。
そのため出勤や退勤のタイミングが重なっても、打刻待ちの行列が出来にくく、打刻場所での混雑を軽減することにもつながります。
また、ICカード打刻の場合は、打刻データをシステムに反映させることができるため、集計作業の手間を大幅に削減することができます。社員証と兼用にする場合も多く、普段から持ち歩く社員証で打刻ができるため、紛失のリスクが低いという点もメリットとなっています。
紙のタイムカードよりも導入にコストがかかる点や、ICカードの貸し借りによる不正打刻のリスクは残るものの、紙のタイムカードよりも打刻や集計の効率を向上させた形での運用が可能となります。
3.生体認証
生体認証を用いた打刻方法は、指紋・静脈・顔などの身体的特徴から個人を特定(認証)し、その認証情報を元に打刻を行う仕組みです。従業員の身体的特徴を用いる為に代理での打刻が不可能となり、カードを代わりに押してもらうなどの不正打刻を防ぐことができます。
打刻用のICカードを持ち歩く必要もなく、紛失などといったトラブルも防ぐことにつながります。
他の打刻方法と比べて導入コストが高い点や、寒暖差や手荒れなどで認証制度が落ちる可能性はありますが、物理的なカードを不要としながら不正打刻の防止を徹底したいという企業に適している方法です。
タイムカードを押すタイミング
タイムカードやタイムレコーダーは、いつでも好きな時に打刻して良いというものではありません。
勤務を開始する出勤時・勤務を終了する退勤時に打刻することを原則とし、労働時間の実態に沿って打刻されているかどうかが重要となります。
企業は従業員の労働時間を正確に把握することが求められているため、この原則を無視して実際は労働をしていないにも関わらず、勤務の開始時刻に対して早い時間に打刻を行ったり勤務の終了時刻に対して遅い時間に打刻を行ったりすると、労働時間の過少申告や残業代の未払いといった問題を引き起こすことにもつながります。
休憩時間の打刻は必要か
企業の従業員として勤務する方々は、勤務時間に応じて休憩を取得する必要があります。
では、休憩の際に打刻は必要なのでしょうか。
労働基準法34条において、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合には1時間の休憩を労働時間の途中に与えるように定められています。
休憩時間の打刻に関しては法的に定められていないため、原則として打刻は不要です。
しかし、労働基準法に定められている休憩時間は与える必要があるため、企業は従業員に対してしっかり休憩時間を与えられているか、いま一度確認する必要があります。
タイムカードは着替えの前と後どちらに押すのか
なかには、勤務に際し制服などの着用が必要な企業もあるのではないでしょうか。
その場合、勤務開始前に着替えが必要となりますが、勤務が始まる前に着替えを行う場合、打刻は着替えの前と後、どちらに行うのが適切なのかを解説していきます。
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制服着用が義務の場合
まず、制服の着用が義務付けられている場合について考えていきたいと思います。
この場合、従業員は会社からの指示のもと行動していることになるため、この着替えの時間は労働時間と見なされます。
そのため、制服の着用が義務付けられている場合、打刻は着替えを開始する前に行うことが適切であるとされています。
退勤時も同様に、着替えの時間は労働時間と見なされるため、着替えを終えた後に打刻を行うことが適切といえるでしょう。
つまり、着替えの開始から終了までの時間を労働時間として記録しなければなりません。
この着替えの時間の扱いについては意外と見落としやすく、後々賃金の未払いという問題にも繋がりかねない重要なポイントとなるため、注意が必要です。
着替えが任意の場合
では、着替えが義務ではなく、任意の場合はどのように考えられるのでしょうか。
着替えが業務上必須ではなく、義務とされていない場合は労働時間には含まないケースも多いです。その場合は、着替え終了後に打刻をするという流れが適切です。
着替えは任意のため、労働時間に含まれなくとも法的になにか問題が起きるということもありません。ただし、着替えることが業務を遂行するにあたり必要不可欠かどうかを判断するためにも、企業は労働時間に含むのか含まないのかという点を、就業規則やマニュアルなどに判断基準を明確に記しておく必要があります。
会社から着替え後に打刻するよう指示するとどうなるのか
着替えが業務上必須であるにもかかわらず、着替えの後に打刻するよう指示した場合、本来は労働時間に含まれるはずの着替えの時間が勤怠の記録に反映されないことになります。
業務上必要な着替えの時間は労働時間に含まれるため、その時間に対する賃金が支払われない状態になると、労働時間の未払いとしてトラブルに発展する可能性も考えられます。
このような指示は労務トラブルや行政指導につながる恐れがあるため、企業は従業員の労働時間を正確に把握し、賃金を支払う必要があります。
実態に合わせた勤怠管理を行うためにも、明確な運用ルールの整備を行い、正しい労働時間の記録と管理を行うことが重要です。
タイムカードの適切な設置場所
タイムレコーダーの設置場所は、適切で正確な勤怠管理を行うためにも重要なポイントとなります。
あまりに打刻場所が業務を行う場所から離れすぎている場合、移動時間がかかってしまい、正確な労働開始・終了が記録できなくなってしまう可能性があります。
また、混雑を避けるために責任者の目が届きづらい場所に設置した場合、不正打刻や代理打刻の抑止が困難となってしまうケースも考えられます。
そのためタイムレコーダーは、業務を行う場所の出入り口付近かつ、混雑を避けられる広いスペースに設置することをおすすめします。業務を行う場所の出入り口付近にすることで、移動時間を含まないより正確な勤務開始・終了を記録できるからです。
始業・就業時には多くの従業員が一度に打刻を行うため、どうしてもタイムレコーダー周辺は混雑しがちです。正確な労働時間の記録を行うためにも、設置場所にはある程度ゆとりを持った広いスペースを確保しておくことが理想的といえます。
タイムカードを保管する期間
タイムカードで勤怠管理を行う場合、必要な保管期間が法的に定められており、適切な保管期間を守ることが重要です。
勤怠記録として、タイムカードの保管期間は「3年」と定められていましたが、2020年4月の労働基準法改正109条により「5年」に延長されました。また、源泉徴収票と賃金台帳を兼用している場合の保管期間は「7年」のため、どちらに該当するのかを確認し、保管する必要があります。
この保管期間は、労働時間や賃金に関する記録を一定期間保存することで、従業員と万が一なにかトラブルがあった際に事実関係を確認できるようにするためのものです。
そのため、勤怠の集計作業が終わり、給与の支払いが完了したからといってすぐにタイムカードを処分してしまうと、労働基準法違反にあたり罰金が科される可能があります。
客観的な労働時間の証明が残っていない場合は、企業側の不利となってしまうため、必ず保管期間を遵守しましょう。
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タイムカードで勤怠管理を行う際の注意点4つ
適切な勤怠管理の第一歩は、法令に基づきながら労働時間を正しく記録することです。
タイムカードによる運用においても、実は見落としがちな注意点がいくつか存在します。その注意点を、具体的な理由とともに詳しく解説していきます。
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打刻漏れ・ミスを発生させない対策を行う
まず、勤怠管理において最も起きやすく、身近な問題として挙げられるのが、打刻漏れや打刻間違いです。
退勤時に急いでいて打刻を押し忘れてしまうケースや、出勤と退勤のボタンを誤って押してしまうケースなどが典型的な例として挙げられます。
こういった事象を発生させないために、打刻ルールを周知し、習慣化を促すことが大切です。
とは言え、打刻漏れなどを完全にゼロにすることは難しいでしょう。
そのため、定期的なリマインドや未打刻一覧をすぐに確認できる環境を整えるなど、「気付ける仕組み」と「習慣化」を踏まえた運用面の工夫により、大幅に改善させることが期待できます。
労働時間の集計作業を効率的に行う
紙のタイムカードの最大の非効率性は、手作業による修正作業の煩雑さというところにあります。
この課題を少しでも解消するために最も効果的なものは、デジタル化への移行です。
デジタル化が難しい場合でも、Excelテンプレートなどを活用することで業務負担を軽減させることは可能です。
しかし、Excel等のテンプレートには15分単位などの丸め処理を行う機能が入っている場合があります。勤怠を管理するにあたり、労働時間を15分単位などの丸め処理を行うことは原則認められていません。切り上げで計算をする場合は、労働者の不利益には繋がらないため違反にはなりませんが、端数処理は賃金の未払いに繋がりかねないため注意が必要です。
不正・改ざんの防止の対策を立てる
タイムカードを用いて運用するうえで注意したい点が、不正打刻・改ざんのリスクです。
なかでも代表的なのが、他の従業員が代わりに打刻してしまう代理打刻、および自分の打刻時刻を勝手に修正する自己改ざんです。
こうした不正が起きると、正確な勤怠管理が難しくなり、不正打刻を行った従業員には懲戒解雇が妥当とされているため事前の対策が欠かせません。
対策としてはまず、タイムレコーダーを上長などの視界に入る場所に設置し、目視で確認できるようにすることで代理打刻の抑制に繋がります。
また、勝手な改ざんを防ぐために打刻修正のルールを厳格化させることも必要です。修正等は、人事・労務担当者からの確認のうえ、「印」を押す運用を適用するなど、必要な手順を明確にさせることで不正の抑止に繋がります。
従業員の教育を徹底する
タイムカードで勤怠管理を行う際に忘れてはならないのが、従業員への教育を徹底することです。
ルールを明確に定めていたとしても、従業員がその内容や重要性を理解していなければ、不正打刻やトラブルが発生しやすくなり、正確な労働時間の把握も難しくなってしまいます。運用開始時の説明に加えて、定期的な周知やマニュアルの整備を行うことも重要です。
さらに、不正を防ぐための対策がされているなど、環境の整備も欠かせないポイントとなります。従業員への教育を継続的に行うことで、正確な勤怠管理の実現とトラブルの回避に繋がります。
タイムカードと勤怠管理システムは何が違うのか
タイムカードと勤怠管理システムは、どちらも従業員の出退勤時刻といった労働時間を記録する手段ですが、その仕組みと効率性には大きな違いがあります。
タイムカードは、紙や打刻機を用いて記録するため、打刻できる場所が限られてしまうことと、集計を手作業で行う必要があり、ミスが発生しやすいことが挙げられます。
一方で勤怠管理システムは、設置型以外にも、打刻場所に縛られないスマートフォン打刻などがあり、テレワークや直行直帰などが多い勤務スタイルにも対応できる打刻方法が増えています。
また、打刻データは自動集計されるため、労働時間や残業時間の算出、それに基づいたアラート通知や休暇の管理など、多くの作業を自動化させ効率的に行うことができます。
タイムカードの場合、月末の確認作業までミスに気付けないというようなケースも多く発生しがちですが、勤怠管理システムの場合はリアルタイムで状況を把握できるため、打刻漏れや打刻ミスの早期発見が可能となり、人事・労務担当者の負担を軽減できる点が大きなメリットです。
そして、運用面での違いもあります。勤怠管理システムには、自社サーバーで運用をするオンプレミス型と、インターネット経由で利用するクラウド型があり、社内の運用体制に合わせて選択できる点も特徴です。オンプレミス型の場合、導入コストとなる初期費用が高くかかりますが、クラウド型の場合はコストを抑えて導入することが可能です。オンプレミス型の場合もクラウド型の場合も、それぞれの導入費用が発生するほかに、オンプレミス版であれば保守料金・クラウド型であれば年額や月額でのクラウド利用料といったランニングコストは必要になります。
また、適切な勤怠管理を行うにあたって欠かせないのが、法改正への対応です。
タイムカードの場合、法改正があった場合は自社で運用ルールや集計方法を手作業で見直す必要があり、人事・労務担当者の負担が大きくなりがちです。
勤怠管理システムでは、法改正に合わせてシステム側がアップデートを行うため、法令違反のリスクを軽減しつつ、最新のルールに基づいて運用できる点が大きなメリットです。
タイムカードと勤怠管理システムの比較ポイントを以下に表としてまとめてみました。
| 紙のタイムカード | 勤怠管理システム | |
|---|---|---|
| 打刻方法 | 紙 | ICカード、PC、スマートフォン、 タブレット、生体認証など種類は様々 |
| 打刻場所 | 設置されたタイムレコーダーの場所 | 設置型もあれば、場所を問わないスマートフォン打刻など、選択肢が豊富 |
| 集計作業 | 手作業で集計・計算・転記が必要 | 自動集計、自動計算が可能 給与システムとの連携も可能 |
| 導入コスト | 比較的安価 | 導入コストはかかるが、集計工数削減による費用対効果が高い |
| ランニングコスト | タイムカードの用紙代と維持費が発生 | オンプレ型の場合は保守料金が必要となり、クラウド型の場合は利用料が必要となる |
| 機能の拡張性 | 基本的になし | 申請承認機能や給与ソフトウェアとの連携機能など、システムならではの拡張性がある |
| 保管方法 | ファイリングで保管 | デジタル保存 |
| リアルタイム性 | 月末まで気付かないケースが多い | 打刻漏れや残業時間超過などをリアルタイムで確認が可能 |
| 法改正への対応 | 都度手動でのルール変更が必要 | システムアップデートで自動対応されるため、労務リスクの軽減につながる |
勤怠管理システムを導入するならクロノス
タイムカードは導入コストこそ安価ですが、不正打刻などさまざまなリスクが存在します。
クロノスのクラウドサービスである「X'sion(クロッシオン)」では、打刻方法の幅が広がるだけでなく、従業員がログインして自身の勤務実績や各集計項目をリアルタイムで確認することができます。打刻修正の履歴も画面上に残るため、より正確な管理が可能です。
さらに、勤怠管理システム「クロノスPerformance」との連携により、煩雑になりがちな集計作業も自動化できます。
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まとめ
タイムカードは、労働時間の記録として重要ですが、現代の働き方や法令遵守の観点からみると人事・労務担当者の負担も大きく、集計作業の手間や打刻ミスのリスク、保管コストなど、さまざまな課題が生じています。
これらの課題を解決しつつ、人事・労務担当者の業務負担の軽減が可能となるのが、勤怠システムの導入です。システムによる正確な勤怠管理は、従業員の健康を守るだけでなく、企業としての信頼度向上にも繋がります。クロノスで実現できる業務効率化が気になった方は、「X'sion(クロッシオン)」の導入をぜひご検討ください。
- ※「X'sion(クロッシオン)」のご利用には、勤怠管理システム「クロノスPerformance」のご利用が必要となりますのでご注意ください。






