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「就業管理トピックス」第32回

約20年ぶりに改正された脳・心臓疾患の労災認定基準について

コラム イメージ

業務による過重な負荷が加わり、脳内出血や心筋梗塞をはじめとした一定の脳・心臓疾患を発症したときには、厚生労働省が示す基準に沿って、業務に起因する疾病として労災保険の給付対象となるかの判断が行われます。この基準である所謂「過労死認定基準」が今回約20年ぶりに改正され、令和3年9月15日から適用されることになりました。今回の改正の最重要点は、 ⾧期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することが明確化されたことです。

今回は、新しい基準のポイントを確認していきましょう。


  • 1. 労働時間以外の判断基準

    認定基準は、長期間の過重業務、短期間の過重業務、異常な出来事の3つに分けて判断されます。このうち、長時間の過重業務の判断では、発症前1ケ月に概ね100時間または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間に渡って、1ケ月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合について、業務と発症との関係が強いと判断されていました。

    この時間外労働にかかる基準に加え、これらの時間に至らなかった場合も、これに近い時間外労働を行った場合には、2. の「労働時間以外の負荷要因」の状況も十分に考慮し、業務と発症との関係が強いと判断されることになりました。

  • 2.労働時間以外の負荷要因の見直し

    長期間の過重業務、短期間の過重業務では、労働時間以外の負荷要因も評価されます。この負荷要因については以前から示されていましたが、今回、「休日のない連続勤務」、「勤務間インターバルが短い勤務」等が追加されました。勤務間インターバルは、概ね11時間未満での勤務の有無、時間数、頻度、連続性等について検討し、判断に用いられます。

    終業から次の勤務の始業までのことをいう。

  • 3.業務発症と関連性が強いとされる内容

    短期間の過重業務、異常な出来事では、業務と発症との関連性が強いと判断される負荷要因が示されています。具体的には以下の内容です。

    短期間の過重業務
    • ①発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合
    • ②発症前の概ね1週間継続して、深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなど過度の長時間労働が認められる場合
    異常な出来事
    • ①業務に関連した重大な人身事故や重大事故に直接関与した場合
    • ②著しく暑熱な作業環境下で水分補給が阻害される状態や著しく寒冷な作業環境下での作業、温度差のある場所への頻回な出入りを行った場合 等

例えば、過労死ラインを下回っていても、勤務間インターバルが短ければ、総合評価の結果、労災認定される可能性があるということになります。特に休日が取れないような連続勤務や勤務間インターバルが労働時間以外の負荷要因に追加されたことは注目すべきことであり、連続勤務となっていれば最低限週1日は休ませたり、 長時間労働が続いている場合には次の日の始業時刻を遅くしたりするなどして、 過重労働を防止するための取組みが一層求められます。

従業員の勤務時間や連続勤務等を正確に把握・管理し、労災認定となるようなケースの発生を防ぐため、勤怠管理ソフトを上手く活用し、より一層注意を払う必要があるでしょう。

2021.10.26