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「就業管理トピックス」 第23回

年休の計画的付与制度と運用時の留意点について

コラム イメージ

厚生労働省が公表した2020年の就労条件総合調査(以下、「調査」という)では、 年次有給休暇(以下、「年休」という)の取得率が56.3%となり、前年の52.4%から大幅に上昇しました。また、計画的付与制度がある企業が43.2%となり、前年の22.2%から約2倍に増えています。今後も計画的付与制度の導入を検討する企業が多くなることが予想されるため、今回はその運用と留意点について確認していきます。


  • 1.年休の計画的付与制度

    年休の計画的付与制度とは、年休の付与日数のうち5日を超える残りの日数について、労使協定を締結する等により、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。調査結果を確認すると、計画的付与制度を導入する企業の多くが5~6日の計画的付与を行っています。

    アンケート調査によれば、全体の約3分の2の労働者は年次有給休暇の取得にためらいを感じているという結果も出ていますが、当該制度は前もって計画的に休暇取得日を割り振るため、当該制度の導入により労働者はためらいを感じることなく年次有給休暇を取得することができるというメリットもあります。

  • 2.計画的付与の方法

    年休の計画的付与を行う際には、以下のような方法があります。

    • ①企業や事業場全体の休業による一斉付与
    • ②班・グループ別の交替制付与
    • ③年休付与計画表による個人別付与

    どのような付与の方法を行うかは労使に委ねられており、労使協定に具体的な付与の方法を記載することになっています。例えば、製造業などで一斉にラインを止めた方が効率的な場合には、 ①の方法が合致します。

  • 3.計画的付与の運用上の留意点
    • 対象者の決定

      育児休業や産前・産後休業を取得することが分かっている従業員や、定年等、予め退職することが分かっている従業員は、休業日や退職日以降の日が計画的付与日になる可能性があります。計画的付与の対象者は労使協定で定めることができ、 このような従業員は予め計画的付与の対象から外しておくと良いでしょう。

    • 年休が少ない従業員への対応

      2.の①のように企業や事業場全体の休業による一斉付与の場合には、 新規採用者等で計画的付与日において未だ年休が付与されていない従業員が発生することがあります。計画的付与日に休ませることについて無給の欠勤扱いとすることはできませんので、一斉の休業日については以下のいずれかの方法で対応する必要があります。

      • 特別休暇(有給)とする。
      • 休業手当として平均賃金の60%以上を支払う。

計画的付与を5日以上とすることで、年休の取得率が向上することが見込まれ、 取得の義務化を強力に推進することができます。ただし、新たに計画的付与制度を導入した場合、年休を希望する日に取得したい従業員にとって自由に取得できる日数が少なくなるため、不満を抱きやすいという課題も存在します。制度導入時には労使で十分議論するとともに、一度に5日を付与日とするのではなく、1~2日から始めるといった工夫をしても良いかもしれません。

また、各企業の形態や従業員の働き方に合わせた管理が必要となりますので、勤怠管理システムを導入・利用して、効率的に正確な年次有給休暇の管理をしていきましょう。

2021.01.28